スクラップ Vol.12

1981年9月  鳥取県砂丘海岸一帯

全日本サーフ連盟主催の第十三回クラブ対抗キス釣り選手権大会が九月二十七日、鳥取砂丘海岸一帯で行われた。
 この大会は、全日本サーフ連盟に所属する各クラブから選手三人で一チームを編成し、釣ったキスの総重量を競うもの。各クラブえり抜きの精鋭ばかりだ。私ば貝塚サーフの貝学さん、OKACの津村さんとチームを組んで大阪協会チームとして参加。大阪協会の各チームと大型バスニ台に分乗して鳥取へ向かった。
砂丘会館で受け付けを済ませ、それぞれ釣り場へ向かう。私はOKACの鎌田さん、福井さん、白石さんらと砂丘会館からすぐに砂丘を横切って釣り場へ出た。前日、日本海に発生した低気圧の影響が心配されたが、案の定、かなり強い風が正面から吹き、百二十
メートルくらい沖から白波が立っている。東西十六キロに及ぶ砂丘海岸はいずこも白波が立って真っ白だ。常識的に考えてキス釣りが出来る状態ではない。しかし、そこは大会だ。みんな同じ条件で腕を競うわけだから仕方がない。
 午前五時半釣り開始。一斉に仕かけを投げこんだが意外に潮の流れが速く、道糸2号、オモリ30号の仕かけがアッという間に右へ流されてしまう。ウネリによる仕か
けのからみを考えハリ数を五本にして、入念に探ってみたがアタリすらない。八時ころ鎌田さんがやっと一尾釣った。さあこれからだ、と色めき立ったが結局それまで。
 タイムアップの午前十時半までに、私の周辺にいた人々でキスの顔を見た人は鎌田さんの一尾と関西投友釣りクの安藤さんの二尾だけ。百メートルほど離れたところに、徳島セントラルサーフの名手・塩田さんがいたが、この人も一尾に終わった。
 十一時から審査が行われたが、さすがに各選手の足どりは重く、優勝したチームの総重量が百五十グラム、尾数でミニキス十尾くらいだろうか。釣果ゼロというチームも
かなりあったようだ。私たちのチームは、私と津村さんはボウズだが、さすがに見学さんは一尾釣っていて十二グラム。賞にはもれたが貴重なキス。
大阪から参加した大型バス二台分のメンバーの中で、最も多い人が三尾、キスを釣った人十三人で合計十七尾というさんざんなキス釣りだった。
 この大会は、キスの数釣りが出来る所が会場に選ばれるので、釣り場としては実績のある所でも、当日は天気が悪かったり、大勢のキャスターの襲来に恐れをなしてキスが逃げてしまうのか、毎年数の釣れない大会になっているようだ。
 (西大阪サーフ・吉本克己)

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