スクラップ Vol.10

1981年9月 福井県敦賀

 「キスの数釣りが出来る近い所」という注文で十日、福井の敦賀方面へ出かけた
北陸への高速道路が出来てから敦賀周辺の釣り場も非常に便利になって、大阪から車で約二時間半ほどだ。
 まず久々子の海水浴場へ行ってみた。百メートルくらい沖にテトラの一文字がたくさんつくられ、以前とはだいぶ変わっている。百六十メートルくらい投げる約友の水谷さんにはちょっと面白くない釣け場だし、私も前方に障害物がある所は抵抗を感じるので、敦賀半島のつけ根にある佐田浜へ行ってみた。
 ここはきれいに並べられた三角テトラの上から投げるのだが、横に砂浜も少しあるのでサオを出すことに決めた。
 第一投は午前四時半ごろだった。二本のサオを出し終わり、息つく間もなくグイーツときた。かなり重く、何か大きな魚がかかっているのはわかるが、キスねらいのため道糸もハリスも細いので無理は出来ない。やっとの思いで足元へ引き寄せ、ヘッドランプで照らしてみると大きなフライパンくらいはあるエイだつた。重いはずだ。
 気を取り直して穂先ランプに注目したが、結局、何の音さたもなく夜が明けてしまった。
 海を見ると前夜に相当量の雨が降ったらしく百メートルくらい沖まで赤茶色に濁っておりキス釣りをするような状態ではない。だがしばらくここで引き釣りをしてみた。
結果、私はピンギスを二尾釣つただけで、水谷さんは一尾、井口さん三尾といった具合。
 早々にここをあきらめ、敦賀半島の東側にある手ノ浦へ転進。非常に水もきれいで、第一投目から小型ながらキス、ベラ、カワハギが四尾もついてきた。
ポイントは三十〜四十メートルくらいで、キス、、ぺラ、カワハギ、チャリコ、ガッチョが入れ食いで、素バリは一回もないほどの好調さだった。
水谷さんは十二本バリに十一尾
も食わせニコニコ顔だ。引き方がやや遅いとガッチョが多く、少し早めに引くとガッチョが少なくなり、水際ではカワハギとベラが横へ走り面白さを増してくれる。
ベラやチャリコは、スカツとした
あのキスのアタリに負けないくらい活発で、時々小さなイイダコが愛きょうを添えてくれ、みるみるうちにクーラーの底が見えなくなった。
 正午にサオをしまって、数をかぞえると私が一番多く、ガッチョを除いて九十九尾もいた。他の人もそこそこ釣っていたが、釣果の差は仕掛けのせいだったようだ。
四時間足らずの釣りで、数としてはまずまずだが、型の小さいのが不満。どの魚種も15センチくらいのミニサイズばかりで、一尾まじった20センチほどの青ベラが、ひときわ大きく見えた。
 これから落ちにはいると、キスやベラは荒食いするだろうし、チャリコももう少し大きくなって楽しい数釣りが期待出来るだろう。
 (西大阪サーフ・吉本 克己)

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