スクラップ  Vol.42

 〝名も和らぬ遠き島より、流れよる椰子(やし)、の実ひとつ・・・
とうたわれ、恋路ケ浜というなんともロマンチックな名の海岸がある渥美半島伊良湖岬
すぐ向かいの鳥羽・神島へは何回も出かけているが、手の届きそうなところにありながらまだ訪れことがなく、前々から一度竿を出してみたいと思っていた。そんな十二日、伊良湖岬への投げ釣りバスツアーがあったので釣友三人を誘って参加した。
 恋路ケ浜は、夜が明けるとサーフィン族が押し寄せると説明があったので、私たちはフラワーセンターの前でパスを降りた。浜へ出ると波がやや高く、感じとしては高知の入木海岸によく似ている。
 仕かけの準備にとりかかった午前四時半ごろには、もう薄明るくなっていてヘッドランプもいらない。
 道糸2号、オモリ25号に八本バリの仕かけをセットして、80メートルラインに投げ込んだ。ゆっくり引いてくると50メートル付近でプルンときた。
 キスを狙っての釣行は今年初めてで、半年ぶりに伝わってきたキス独特の小気味よいアタリに、なにかなつかしさみたいなものを感じる。
 波の打ち返しが高いので、30メートルくらい残して巻き上げると16センチ級のキスが三尾ついてきた。その後も投げるたびに一〜二尾のキスが釣れ、時には五連でくることもあって、この調子なら悪くても七、八十尾は…ともくろんでいた。だが好事魔多しのとおりで、私の近くで七、八人のグループが竿を出しはじめた。一見して初心者と分
かるグループで、スイング投法まがいにオモリを振り回す人や、行き先はオモリに聞いてくれという感じの投げ方だから、とうとう私の方から逃げだした。
 場所がわりしたところはもうひとつバッとしなかったか、潮が引いて波も比較的穏やかになったので、一尾、二尾と拾うように釣って十一時に納竿。結局私の釣果は
12〜18センチのキスが四十五尾のほかに、20センチくらいのキスが二尾だっ
た。
 最もたくさん釣った人は九十尾以上も釣っていて、西堀切のバス停裏あたりで竿を出したらしい。
この日は全体的に東の方がよく、釣り場によっては五尾くらいの人もいたようだ。
 伊良湖岬の釣果はもうひとつだったが、広々としたきれいな砂浜は、キスの数釣り場として面白そうで、夜はイシモチなども出るらしいから、機会があればもう一度出かけてみたいと思っている。

(西大阪サーフ・吉本 克己)


にほんブログ村 釣りブログ 投げ釣りへ
にほんブログ村クリックお願いします      西大阪サーフ公式ブログ