スクラップ  Vol.29 静岡県・新居表浜一帯

1982年8月

 

◆八日、静岡県浜名湖近くの新居表浜一帯で、西大阪サーフの例会が行われたので私も参加した。ここの釣り場は20センチ前後のキスがよく釣れると聞いていたが、参加者全員が初めての釣り場で、暗い間はイシモチやセイゴが釣れるのでは…と期待しているメンバーも大勢いたようだ。大阪駅を前日の午後九時半にバスで出発。名神、東名と高速道路を突っ走って目的地へ着いたのは午前二時ころだった。距離的にはかなりあるが所要時間を考えると〝近い釣り場″だ。浜へ出てみると百メートルくらい沖から白波が立っている。イヤな予感がしたが、とりあえず竿をつないで仕かけをセット。力まかせに投げこんだ。二本目の竿を用意していると先に投げた竿がグイグイ引っ振られている。魚かと思ったが、リールを巻いてみると道糸にゴミがびっしりついていた。これでは釣りにならない。二百メートルほど西側にいるクラブメートのところへ行ってみると「ゴミは気になるほどかからない」と言うのでそこへ割り込ませてもらった。ここでは白波の向こう側百二十メートルくらいの所へ投げて18〜20センチの中型キスがパラパラと釣れだした。この調子なら夜が明ければ少なくとも二十〜三十尾くらいのキスはかたいだろうと思っていると、ピカッときた。雷だ。光っているのは遠くの方だがほとんどのメンバーがカーボンの竿を振っているし、どうも気持ちが悪い。夜明け前の絶好の狙い時だが、竿から離れて稲光が収まるまでしばらくの間全員が待機するというハプニング。すっかり明るくなって、稲光も遠のいたので再び釣り開始だ。だが白波が立っているあたりから手前は、一面.茶色ににごっている。あとで地元の人に聞いて分かったのだが、二、三日前にかなり荒れていたのがまた残っているらしい。ギブアップするメンバーはいない。タイムアップまで一生懸命だったが、その努力も報われず、一人平均の釣果は五尾くらいというみじめさだ。シマイサギやイシモチも交じったが、型はいずれも15〜20センチクラスばかりで、初めての釣り場へ挑戦するという期待も、ウネリとにごりには勝てず意気消沈だ。ここの釣り場はやや浅いようだが、好天の日には中型キスがよく釣れるそうだから、阪神方面からのキス釣り道場・北陸にかわって脚光を浴びるのではなかろうか。
 【例会の成績】(全日本サーフ対象魚四尾の合計長寸)
①小林栄一78・8センチ②岡田清76・5③松原義夫75・2④千本雅樹75・2⑤豊川正男67・2

(西大阪サーフ 吉本克己)
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